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土地と建物の金額比率の決め方は?
売買契約書の土地建物の按分率を決める方法
不動産売買の契約書は、土地・建物の金額を記載する欄があります。しかし、私が今まで不動産取引をしてきてそのような記載をみることはほとんどありません。
一般的に個人の方が売主様の場合は、消費税がかかりません。法人が所有している場合は消費税がかかります。業者が売主様の場合は、消費税を出す必要性がありますので土地建物の金額の記載があります。なお消費税は「建物」にのみに発生して、土地にはかかりません。
評価証明書を参考に決めましょう
土地建物の金額を決める場合は、物件の「評価証明書」を参考に決めると良いですね。物件の評価証明書は市役所で発行してくれます。福山市の場合は「固定資産課税台帳記載事項証明書」というものです。それを見ると土地の評価額はいくらで建物の評価額がいくらみたいな形で記載をしています。その評価証明書の評価額を合わせて按分率を決めたら良いです。
消費税を出す場合の計算方法
分かりやすいように、売買価格1,000万円、土地の固定資産税評価額500万円、建物の固定資産税評価額300万円で計算してみます。
① 建物に対しての土地の比率を求める
500万円 ÷ 300万円 = 土地比率1.667
② 土地の比率と乗算消費税率を足す
①1.667 + 1.10 = 2.767
③ 税抜きの建物額を求める
合計額 1,000万円 ÷ ②2.767 = 361.4万円
④ 土地の額を求める
③361.4万円 × ①1.667 = 602.5万円
⑤ 消費税額を求める
③361.4万円 × 消費税10% = 36.1万円
- 売買価格の内、土地価格は 602.5万円(62.5%)
- 売買価格の内、建物価格は 397.5万円
- 税抜きの建物額は 361.4万円(37.5%)
- 消費税額は 36.1万円
になります。消費税がからんでいない場合は、単純に按分率で求めれば良いです。
なぜ計算方法を知っておいた方が良いのか?
これらの計算方法を知っておいた方が良いと思うのは、不動産投資をされている方、アパートの大家さん等は「減価償却費」が関係してくるからです。建物に関する減価償却費を正しく理解しておかないと思いのほか税金がかかってしまったという事態になりかねません。そのあたりのお話しは次回にまわしたいと思います。